自分的五輪レポ7。っていうかサーシャ・コーエン。

フィギュアスケート・女子シングルFS】
何から書こうかな。フレール・マクスウェル(LUX)の衣装が可愛かったよ。
でも、そんなことばかり書くのはちょっとね。うん。
書きたいことはたくさんあるんだけど、まとまりそうにもない。
荒川静香さんにおめでとうを。誰よりも落ち着いていた。素晴らしかった。
それ以上の賛美はないし、詳しいことはたくさんの人が書くだろうし、
何よりもコーエンの演技を観るのに精一杯。とにかく荒川さんおめでとう。


ラクティスで一番に飛び出したコーエンはあせっていたのだろうか。
映像の隅っこで何度も跳ぶ3回転はことごとくミス。
最後にやっと決まったのも回転不足か両足着地でふらついていた。
ファンじゃなくともわかるくらい、明らかに緊張している。
サーシャタイマーが演技前から既に発動してる。
自爆する、と思った。
予想は当たり、演技直前でも緊張は解けず表情は固いまま。
1つ目のジャンプコンビ、転倒。2つ目の3回転フリップ、手つき、
頑張れの意味か拍手が起こり3つ目の3回転ループでやっと跳べた。
そして、次のスピンは軸が全くぶれなかった。綺麗だった。
2つジャンプを失敗した時点でメダルは取れないと思っていた。
だってコーエンだから。
それまで綺麗な演技でも突然全てのことが失敗しだしたりするコーエン。
サーシャタイマーと評され、得意のスパイラルやスピンすら駄目にする。
そんなコーエンを何度も観てきた。だからこそ好きになった。
精神的に不安定で何をしでかすかわからない感じが好きだと言い続けた。
だから、今回の演技に驚いた。
だってあれだけ転んだのに持ち直したんだから。
他のことはもうどうでも良い。それだけにただ感動。
精神的に成長したのならこれから先問題とするところなんてない。


スパイラルは相変わらず素晴らしかった。レベル4にGOEで+2.00点。
それは今大会でのスパイラルで誰よりも誰よりも高い点。
転んだ後にも、いつも通りとまではいかないけれど得意技が出来た。
他も最高じゃないんだけどちゃんと「コーエンの演技」だった。
細かいところは置いといて、私にとって誰よりも素敵な演技だった。
銀メダルおめでとう。銀メダルをまじまじと眺める姿は、
いつものマイペースなサーシャらしくてなんだか笑えたよ。
表彰台で国歌も流れる前から観客に手を振ってしまったり、
どこからスルツカヤに挨拶をすれば良いのか迷ってみたり、
いつもの悪態ついて欲しかったってのもファンとしてはあるんだけど、
こういう可愛らしい姿もたまにはね。うん、おめでとう。


と、もうひとつ。イリーナ・スルツカヤ(RUS)の表情に涙が出た。
まさかスルツカヤがこんなにも緊張した演技をするとは想像外。
3回転ループで転倒、ステップの評価はレベル3。
気負っていたんだろうか。きっとこんなはずではなかった。
演技後すっきりした表情で採点を待つスルツカヤは、
女王とマスコミに騒がれたような人ではなく、一人の選手だった。
ひとつの大会で出した精一杯は、見ていてとても綺麗。
結果は銅メダルだけどスルツカヤは笑ってた。とても綺麗。
演技自体じゃなくてなんていうか、長年見続けた選手の姿が、もう。


追記として、新採点方式は良いものだと女子シングルで確信。
それでもまだPCSには不公平を感じるときがあるけど、
TESのわかりやすさは選手にとって良いものだね。
少なくとも女子では全選手に納得のいく採点だったと思う。
(参考までにFSのリザルトをどうぞ。
 →→→http://www.nbcolympics.com/results/1501425/detail.html


もひとつ追記。上の文の流れで。
コーエンのインタビューにて、シズカが勝者だ、と言っていた。
ああそうか、と納得。大会ってそういうこと。勝つか負けるか。
優れたスケーターか否かを決めるんじゃない。
そんなもの数字では決めようがないし。
この瞬間この場所で誰が勝つか。荒川は勝った。異論なんてない。
採点競技のフィギュアスケートがスポーツらしく終われて良かった。