オリジナル。

二酸化炭素を吐き出して あのこが呼吸をしているよ
どん天模様の空の下 つぼみのままでゆれながら
野良犬は僕の骨くわえ 野生の力をためしてる
路地裏に月がおっこちて犬の目玉は四角だよ
今日 人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ


アラビヤの笛の音ひびく 街のはずれの夢のあと
翼をなくしたペガサスが 夜空にはしごをかけている
武器をかついだ兵隊さん 南にいこうとしてるけど
サーベルの音はチャラチャラと 街の空気を汚してる
今日 人類がはじめて木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ


歌を忘れたカナリヤ 牛を忘れた牛小屋
こわれた磁石をひろい集める 博士はまるはげさ


あのこは花火を打ち上げて この日が来たのを祝ってる
冬の花火は強すぎて ぼくらの体はくだけちる
ブーゲンビリヤの木の下で ぼくはあのこを探すけど
月の光にじゃまされて あのこのかけらは見つからない
今日 人類がはじめて木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ


今日 人類がはじめて木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ


サルにはなりたくない サルにはなりたくない
こわれた磁石を砂浜で ひろっているだけさ


サルになるよ サルになるよ
たま「さよなら人類」

なんでこの歌詞を載せてるのかって?まぁいいじゃないか。
今日昔のテレビ出演の映像を偶然見たの。
そしたらグッときたから。そういうのが大事。


「たま」について詳しくはないよ。
有名なこの曲を含めても数曲しか知らない。
自社レーベルを作ってCD出したり演劇活動してたのは知ってる。
この曲以外にもたくさん名曲があること、柳原さんが脱退したこと、
あと、2003年に解散したこと。これが私の持つ「たま」情報全部。


解散時期にROJに載っていた記事が好きだった。
要約すると「たま」がいかにオリジナル性が高かったかということ。
『バンドなんてみんな4人か3人編成だったり、
ゆずが出たらギターデュオが流行ったり、
ヒップホップなんて違いもわからない。
裸足で歌う人がいたら私は地下足袋、とか
他人と違うことをどうしてしないんだろう?
大きな流れの中でほんのちょっとのオリジナル性を出すこと、
それが売れるための秘訣である、と。
その中でどうして「たま」が流行ったのか。
マスとかけ離れた活動しかしていなかったのに。』
これ、ファンの人が書いた文ね。
「まねしたくない存在」で在り続けたことへの敬意を示している。


私はだから「たま」がどうとかいうわけじゃないんだけど、
なんかいいなぁと思って。オリジナル性。


「さよなら人類」を書いたのは脱退した柳原さんなので、
ずっとライブではやってなかったんだって。
それを解散ライブで泥酔したワタナベイビーが飛び入りして、
久しぶりに演奏したそうな。
切ない曲だなー、とかしみじみ思ったのです。
こういうのも格好良いねぇ。