私が公務員を嫌いになった理由。

それはもう8年も前のこと。私は中学生だった。
家に帰って夕飯を食べ、テレビを見ていた。
ありきたりな家族の夜。


両親は私にテーブルに向かうよう告げた。
私は長方形のテーブルの長い辺に向かって座り直す。
ふと、おかしいな、と思った。
日頃テーブルに座るときはいわゆるコの字型になって座るのだ。
短い辺に父、長い辺に対して母と私が向かい合う。
その日は長い辺に対して2対1で向き合っていた。
母の手元には1枚の薄っぺらい紙。
それは私が初めて目にした自分の戸籍謄本だった。


「それ」を疑う余地は十分だった。
誰しもそうかもしれないが、我が家には多少のイザコザがある。
そのために転校した経験から、色々な大人の事情を想像していた。
何を言われても、受け入れるための準備は出来ている。
それでも、私の目には自然と涙が溢れてしまう。
私は涙を隠すことに精神を集中させることで心を落ち着けた。


重い空気の中、口を開いたのは母だった。
「黙っていてごめんね。」
母は確かにそう言った。
父はうつむいていて表情が読めなかった。


母は手元の紙をテーブルの上にスッと差し出した。
A4にも満たない紙には自分の氏名や本籍が記載されている。
こんな紙きれ1枚に自分の宿命が書かれているかと思うとうんざりした。
間違いなく、その紙は私自身の戸籍謄本だった。
即座に目をやるのは、もちろん父と母の名前欄である。

































って、何がおかしいんですか?
ふっつーに父と母の名前やんか。



拍子抜けして両親を見ると大爆笑している。
母曰く「ちょっとやってみたかったんよ。」
何それ?イタズラにしちゃタチ悪すぎるやろー。
と、まぁ両親の迫真の演技による最悪なドッキリだったわけで。
碌でもない親だな、まったく。


しかし、お話はこれから。
この謄本、ちょっとおかしい。
初めて見るとは言えども何だか違和感。
普通の謄本は結婚も何もしていない場合、
出生に関する一行の文章しかないはずである。
私の謄本には何故かそれ以外にもう一行あった。
とても短い文章。
「○○年○月○日 改名」と。
え?みたいなね。私、改名経験あったんですか?
ところがこの日にち、つい最近なのです。
何が何だかわからない。
とりあえず、今の私の名前は何なんだ?


母の話によると、私は生まれてからそれまで、
ずっとずっと戸籍とは違う名前で生活していたそうです。
と言っても名前の「理」が「里」になっていただけですが。
住民票とも一致していなかったのに、
何故にそれまで気付かなかったかわからないけど。
どうりでダイレクトメールが2通ずつ来るわけだ。


驚いたのはその先。
この間違い、出生届の際に起こったことらしい。
父親が届けで娘の名前を間違いはしないよね。
つまり、市民センターの方が読み違って下さったわけです。
そして間違いのまま登録した、と。
それをこの度抗議して直してもらった、と。
へぇ〜、とやっとこさ納得した。
で、思う。


それが何で「改名」になるんだい?
私は改名した覚えなんてありませんことよ?
っていうか「市役所のミスで〜」ってな文章はないのかい?
菓子折りくらい持って来いよ!
慰謝料くれや!金!金!


というわけで、私は公務員が嫌いです。極端に。
国民から金を貰ってるならちゃんと仕事して下さい。