こどものおもちゃ/小花美穂

こどものおもちゃ (1) (りぼんマスコットコミックス (791))

こどものおもちゃ (1) (りぼんマスコットコミックス (791))

1995年、りぼん掲載、全10巻。
タレント活動をしながら学校に通う紗奈ちゃんと、
クラス内でボス的地位を持ち、学級崩壊を進める羽山。
2人は対立しながら互いの孤独な面を知ることで仲を深めて行く。


小花美穂本人も柱に書いていることなんだけど、
本当に、シリアスとギャグが文字通り紙一重で入ってる漫画だな。
ギャグがシリアスからくるものならば、存在意義もあろうけど、
全くないからね、関連が。突発的ギャグ。
まぁ、面白いんだけど、なくてもいいよね?っていう。
シリアス部は本当に凄い。
エピソードだけでも、捨て子であるとか、親を殺したとか、ヒモだなんだと。
で、何が凄いって、小学生に意味が通じてる。
大人になると忘れてしまうのは、
こういった哲学的なことを子供の頃考えていたかどうか。
偏見だけど、女の子って考えていたんじゃないかな。
今考えると、それは子供らしい思想ではないんだけど、
確実に一度は思う事なんだよね。
作品の中では進んだお子様として描かれているけど。


この漫画の批評を読むと必ず、最後の話、人形病のことが出てくる。
紗奈ちゃんが過度の悩みから、顔の表情を消してしまったことだ。
心の病を描いた上で、とても良い漫画だと思う。教育的な意味合いで。
いまだに、道徳の教科書より教えられたことが多いんだ。