イタズラなkiss/多田かおる

1991年別冊マーガレット連載。
言わずと知れた少女漫画名作。


読み返すと、初めと終わりでは場面設定が全然違う。
初めは学園物なのに、最後は医者と看護婦だし。
時が止まってるのか?と思うような少女漫画が多い中で、
これはしっかりと時間が進んでいる。
だからこそ、成長する部分と変わらない部分が描ける。
一生一人の人だけを愛せますか?
琴子の成長は、すべて入江君ありき。
というよりも入江君への愛ありき、か。
今も昔もただただ入江君が好きな琴子は心底可愛い。
愛されたいなんて野暮なことよりも、まず、
私はあなたを愛しているという自信。
強いなぁ。


作者の不慮の事故により未完で終わっているこの作品。
残念だとは思うが、未完であることは同時に永遠でもある。
琴子は今もきっと入江君が好きだろうな、とふと思う。