太田由希奈と五輪の疑問。

由希奈さんがテレビに出る。NHKに出る。
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2010-02-25&ch=21&eid=97
まさかバンクーバーには行ってないだろうからスタジオコメンテーター?
別に滑るわけじゃないし、番組内容にもさして興味はないけど、
一応録画予約をしているあたり、私はファンなんだろうね。
由希奈さんがバンクーバー五輪のリンクに立っていた可能性は、
ファンが思う以上になかったんだな、と今月のNumberを読んで思った。
ジャンプが降りられないのは関節が柔らかいせい、とかそんなんではなく、
もちろんそれもあるんだけど、書かれていたのは、
アスリートらしい精神を持っていなかったということ。
(途中、人間性批判ともとれる文章があり、ちょっと傷付いた)
だからこそあんなに綺麗に滑れてたのかな?とも思うから複雑。
演技も内面も特異なスケーターだったんだね。
スケートから離れる気がないようで、それだけは嬉しい。




疑問。
なぜ五輪は、ペア→男子→アイスダンス→女子の順なのか。
たとえばGPシリーズだと開催国の主観で人気種目を後半に実施する。
この理由はよくわかる。大会が盛り上がるし、チケットのこともあるから。
なぜ五輪だけ順番が決まってるの?
今と同じ順番で競技が実施されるようになったのは88年カルガリーから。
それ以前は男子と女子が同日だったり、順番もバラバラだったりする。
ソルトレイクトリノの頃は自分自身がサーシャに夢中で、
女子がトリだということに何の違和感も抱かなかったんだけど、
今回、初めて4種目を客観的に見たら、不思議でしかなかった。


フィギュアスケートを観たことがない人を想定した感想。
ペアは圧倒的。
人間が人間を上や横に投げ飛ばし、振り回す姿は驚異的。
二人の動きが揃ってると、おぉ!と思う。
初めて観る人に「凄さ」が伝わるのはペア。
アイスダンスは華やか。
衣装や曲で演技以外に見どころがある。美男美女も多い。
最近はリフトも凝りだしたので凄さもある。
小芝居とか見てるだけで面白い。
で、シングル。
男女を比べると、男子がよりスポーティーで女子がより芸術的。
とはいえ、ほぼ同じルールで滑るので似たようなものだと思う。
男子の方が当然ながら回転数が多くて高いジャンプを跳ぶし、
女子よりも長い演技時間で密度も濃い。


不思議だなぁ、と。
ペア・アイスダンス・男子がトリなら理由はそれぞれわかる。
でも女子だけはトリである理由がわからない。
ペアを観た後に女子を観ればリンクが寂しく見える。
ダンスを観た後に女子を観ればスケーティングが下手に見える。
男子を観た後に女子を観れば3+3ジャンプの凄さがわからなくなる。
なんっっっにも良いことがない。
むしろ女子シングルで華やかに開幕!という方が似合う。


別に不満ではない。
ただ、もし女子シングルから始まっていれば、
日本人はそれを観てルールを少しだけ覚えて、興味を持ち、
その後に続くペアやダンスも観るかなぁと思っただけ。
せっかく五輪なんだからさーという冬季五輪好きの思いでした。
ダンスの後だから女子のスケーティングが雑に見えて困るってのは
現在私が思いまくってるどうしようもない感情だけど。


もうちょっと書く。
さっき調べていて知ったこと。
フィギュアスケートは冬季五輪の第1回目(1924年)より以前、
1908年ロンドン"夏季"五輪では冬季競技として唯一実施され、
1920年アントワープ"夏季"五輪でもアイスホッケーと2種目だけ
実施された歴史あるオリンピック種目である。
ちなみに1908年のロンドン夏季五輪・男子シングル金メダリストは
サルコウジャンプを開発したサルコウさん。
また、ロンドン夏季五輪では「スペシャルフィギュア」も実施。
スペシャルフィギュアはフィギュアスケートの原点で、
スケートを使って複雑な図形を描く競技。面白そうだね。
よく、フィギュアは冬季五輪の花形だから!と言ってはいたけど、
ちゃんと理由があるのだね。伝統を重んじる五輪らしい理由が。
なかなか素敵な競技だわ、とニマニマ思いました。